消化器内科 Gastro

健康診断で異常を
指摘されたらご相談ください

健康診断では、消化器に関連する異常が発見されることがあります。
例えば、内視鏡検査（胃カメラ検査・大腸カメラ検査）でポリープや潰瘍、炎症性疾患が見つかる場合があります。また、肝機能検査や超音波検査では、脂肪肝や肝炎、肝硬変の兆候が判明することがあります。さらに、胆嚢結石や胆嚢炎、膵炎、膵腫瘍などが検査によって発見されることもあります。
消化器内科では、これらの異常に対して、内視鏡検査、血液検査、画像診断を用いた精密検査を行い、適切な治療を提案します。健康診断で異常を指摘された場合は、放置せず、早めにご相談ください。

胃炎

急性胃炎

急性胃炎では、強い腹痛や胃の不快感、吐き気が起こります。ひどい場合は、血便や吐血が見られることもあります。
原因には、過度の飲酒や辛い食べ物、ストレス、ピロリ菌の感染、アレルギー、薬（鎮痛薬や抗生物質など）があります。胃に炎症が起こり、広い範囲で粘膜が傷つくこともあり、これを「急性胃粘膜病変」と呼びます。

慢性胃炎

慢性胃炎は、主にピロリ菌の感染が原因です。症状としては、胃の上部の痛みやお腹の不快感、膨らみを感じたり、食欲がなくなることがあります。定期健診でピロリ菌が見つかった場合は、適切な治療を受けて菌を取り除くことが大切です。

慢性胃炎

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃や十二指腸の粘膜が深部まで損傷している状態で、ピロリ菌感染が主な原因です。特に40代以降の患者様に多く見られます。
症状には、みぞおちや背中の痛み（胃潰瘍は食後すぐ、十二指腸潰瘍は空腹時や夜間）、お腹の張り、吐き気などがあります。進行すると吐血や血便が現れることもあります。

• 胃潰瘍
• 十二指腸潰瘍

逆流性食道炎

胃酸などが食道に逆流して食道の粘膜に炎症を起こす病気です。
原因には、生活習慣の乱れ、喫煙、飲酒、肥満、加齢、食道裂孔ヘルニアなどがあります。
症状には胸焼け、胸の痛み、喉の違和感、吐き気、口内の苦味、慢性的な咳などがあります。

逆流性食道炎

胃ポリープ

胃底腺ポリープ

ピロリ菌に感染していない胃の粘膜に生じるポリープです。一般的に悪性化することは少なく、特別な治療は必要ないことが多いです。

過形成性ポリープ

ピロリ菌に感染した胃の粘膜に発生するポリープです。通常は治療を必要としませんが、まれに悪性化することがあるため、定期的な経過観察が推奨されます。

胃腺腫

良性と悪性の間に位置する腫瘍で、経過観察が必要です。腫瘍が悪性化する可能性がある場合は、内視鏡治療が行われることがあります。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群は、腸の機能に異常があるものの、腸に器質的な異常は見つからない病気です。
ストレスや食生活の乱れが影響することが多く、腹痛や腹部の膨満感、便秘や下痢といった症状が交互に現れることがあります。
症状の程度には個人差がありますが、生活に支障をきたすこともあります。

過敏性腸症候群

機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシアは、胃や上腹部に不快感や痛みを感じるが、胃腸の検査で異常が見つからない状態です。
胃もたれや食後の膨満感、吐き気などが主な症状で、消化不良と感じることが多いです。
原因はストレスや食習慣、消化器の過敏性に関連していると考えられていますが、明確な原因は解明されていないこともあります。

機能性ディスペプシア

感染性胃腸炎

ウイルスや細菌による胃腸炎を感染性胃腸炎と言います。感染経路に応じて、ウイルス性、細菌性胃腸炎に分けられます。
主な症状には、発熱、下痢、嘔吐、腹痛、悪心、全身倦怠感があり、血便が見られることもあります。
細菌性の場合、血液中に細菌が侵入して敗血症を引き起こすこともあります。高齢者や慢性疾患を持つ方は、重症化しやすいため注意が必要です。

大腸ポリープ

大腸ポリープは腫瘍性と非腫瘍性に分けられ、通常、大腸カメラで発見されます。多くは遺伝的な要因に関連しており、食生活の欧米化も影響しています。
ポリープが見つかった場合、切除を行うことが一般的です。当院では、大腸カメラで見つかったポリープをその場で切除できる日帰り手術を行っています。

大腸ポリープ

炎症性腸疾患
（潰瘍性大腸炎・クローン病）

炎症性腸疾患は、免疫機能の異常により腸に炎症が起こる病気です。
潰瘍性大腸炎とクローン病が主な疾患で、特に若年層に多く見られます。潰瘍性大腸炎は大腸の炎症による下痢や血便が特徴です。
一方、クローン病は、口から肛門までの消化管に炎症を引き起こし、下痢や腹痛、発熱、体重減少などの症状が現れます。
どちらの疾患も適切な治療により症状の改善が期待できますので、若年者でも下痢や腹痛などの症状が慢性的にある場合には、大腸内視鏡検査を行う必要があります。

• 潰瘍性大腸炎
• クローン病

脂肪肝

脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が蓄積される状態です。
脂肪肝が進行すると、肝炎や肝硬変、場合によっては肝臓がんに繋がることもあります。早期発見と適切な管理が重要です

アルコール性脂肪肝

アルコール性脂肪肝は、アルコールの過剰摂取が原因で発症します。
アルコールの分解時に中性脂肪が合成され、その過程で脂肪肝が引き起こされることがあります。

非アルコール性脂肪肝

近年、非アルコール性脂肪肝が増加しています。
原因としては、糖質の摂取過多、肥満、糖尿病、脂質異常症などが挙げられます。特に肥満は肝臓に中性脂肪を蓄積させるため、脂肪肝のリスクが高まります。

ウイルス性肝炎
（B型肝炎・C型肝炎）

ウイルス性肝炎とは、肝臓が肝炎ウイルスに感染し、肝機能障害を引き起こす病気で、日本人に最も多い肝臓病です。
肝炎を引き起こすウイルスには、A型、B型、C型、D型、E型などがあり、原因となるウイルスによって、それぞれ「A型肝炎」、「B型肝炎」…と分類されます。なかでも、日本人に圧倒的に多くみられるのが「B型肝炎」と「C型肝炎」です。

B型肝炎

B型肝炎は、B型肝炎ウイルス（HBV）によって引き起こされる肝臓の炎症です。
B型肝炎は主に血液や体液を介して感染し、成人で感染した場合、一部は急性肝炎を発症しますが、多くは回復します。しかし、母子感染などで感染した場合、ウイルスが肝臓に残り、慢性化することがあります。
慢性肝炎が進行すると、肝硬変や肝がんになる可能性があるため、定期的な診察と治療が重要です。

Ｃ型肝炎

C型肝炎は、C型肝炎ウイルス（HCV）によって引き起こされる肝臓の病気です。
C型肝炎ウイルスに感染すると、急性肝炎を発症することがありますが、多くの人は症状が現れないことが多いです。この場合、ウイルスが肝臓に残り、慢性化することが一般的です。慢性C型肝炎は、放置すると肝硬変や肝がんに進行するリスクがあります。治療が進んでいるため、早期に発見し治療を行うことが重要です。

胆石症

胆石症は、胆のうや胆管に結石ができる病気です。無症状の場合もありますが、結石が動いたり胆管に詰まったりすると、みぞおちの痛みや吐き気、嘔吐を伴うことがあります。
激しい痛み（疝痛発作）は、特に脂肪の多い食事の後や食べ過ぎた後に起こりやすいです。