吐き気や嘔吐(えずく)で
お悩みではありませんか?
- 1週間以上の長期間吐き気が続く
- 腹痛・下痢・発熱などが併発している
- 吐いても症状が治まらない
- 吐き気が強く、日常生活に支障がある
- 突然の吐き気で嘔吐してしまった
- 食事や水分が摂れないほどの吐き気がある
- 吐き気に伴い、めまいや頭痛がする
- 決まった時間に繰り返し吐き気を感じる
吐き気とは
吐き気とは、胃のムカムカ感や、吐きそうな不快感を伴う症状を指します。これは、脳の「嘔吐反射中枢」が刺激されることで引き起こされます。例えば、有害なものを体外へ排出する防御反応としての嘔吐、消化器の機能低下、ホルモンバランスの変化、ストレスや自律神経の乱れなど、様々な要因が関与しています。
吐き気の原因は消化器系だけでなく、脳神経、耳や目の異常、感染症、代謝疾患など多岐にわたります。長引く場合や症状が悪化する場合は、早めに医師に相談しましょう。
吐き気・嘔吐(えずく)の
原因・疾患
消化器系の問題
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃酸の影響で胃や十二指腸に傷ができ、吐き気を伴うことがある。
症状
食後や空腹時の痛み、黒色便
食中毒
細菌やウイルスが原因で、胃腸が強く刺激され吐き気や嘔吐が起こる。
症状
腹痛、下痢、発熱、全身の倦怠感
腸閉塞(イレウス)
腸の通り道が詰まり、食べたものが進まず嘔吐を引き起こす。
症状
強い腹痛、お腹の張り、便やガスが出ない
胆石・胆のう炎
胆のうの炎症や胆石によって消化機能が低下し、吐き気・嘔吐を伴うことがあります。
症状
右上腹部の痛み、脂っこい食事の後の不快感
急性膵炎
膵臓の炎症が強く、吐き気や嘔吐が起こる。
症状
強い上腹部痛、背中への放散痛
神経系・脳の影響
片頭痛
片頭痛の前兆や発作中に吐き気や嘔吐を伴うことがある。
症状
片側の頭痛、光や音に敏感になる
脳梗塞・脳出血
脳の異常があると、吐き気や嘔吐が出ることがある(特に突然の吐き気は要注意)。
症状
強い頭痛、意識の低下、手足のしびれ
くも膜下出血
突然の激しい頭痛とともに嘔吐を伴うことが多い。
症状
バットで殴られたような頭痛、意識障害
メニエール病・三半規管の
異常(耳の病気)
平衡感覚をつかさどる内耳が異常を起こすことで、吐き気やめまいを感じる。
症状
めまい、耳鳴り、難聴
ホルモンバランスや
代謝の異常
低血糖
空腹時に血糖値が急激に低下すると、吐き気を伴うことがある。
症状
めまい、冷や汗、震え
甲状腺の異常
(バセドウ病・甲状腺機能低下症)
ホルモンバランスが乱れることで、吐き気を感じることがある。
症状
体重変動、動悸、疲れやすさ
ストレス・精神的要因
自律神経の乱れ
(ストレス性胃腸症)
精神的なストレスが胃腸の働きを乱し、吐き気や胃もたれを引き起こす。
症状
胃のムカムカ、食欲不振、動悸
パニック障害・不安障害
強いストレスや緊張によって、自律神経が乱れ、吐き気や過呼吸が起こる。
症状
動悸、息苦しさ、冷や汗
薬の副作用
鎮痛剤(NSAIDs)、抗生物質、抗がん剤など
胃への刺激が強い薬を服用すると、吐き気が出ることがあります。また、体への負担が大きく、嘔吐の副作用が出やすい。
症状
服薬後のムカつき、食欲不振
体の状態異常
熱中症
脱水や体温調整の異常によって嘔吐が発生する。
症状
強い倦怠感、めまい、大量の発汗
心筋梗塞
心臓の異常が吐き気や嘔吐を引き起こすことがある。
症状
胸の痛み、息苦しさ、冷や汗
吐き気・嘔吐の症状で
早急に医療機関を
受診すべき場合
下記のような症状や吐き気が続く場合、他の症状を伴う場合は、放置せずに専門医の診察を受けましょう!
- 突然の激しい吐き気がある
(脳梗塞や心筋梗塞の可能性) - 頭痛やめまいを伴う
(脳の異常の可能性) - 下痢や高熱を伴う
(食中毒や感染症の可能性) - 血を吐く、黒い便が出る
(胃潰瘍・消化管出血の可能性) - 水分が摂れず24時間以上嘔吐が
続く(脱水のリスク)
吐き気・嘔吐の検査
吐き気や嘔吐の原因は多岐にわたるため、併発する症状(胃痛・胸痛など)の有無を確認し、これまでの病歴や現在服用している薬、直前に摂取した食事内容などについて詳しくお伺いします。
症状の原因を特定するため、 血液検査や尿検査、レントゲンや超音波、必要に応じて胃カメラ検査など適切な検査を実施します。
吐き気・嘔吐(えずく)の
対策
急な吐き気や嘔吐が起こった際は、無理に我慢せず吐くことで楽になる場合もあります。
その後、適切な対応をとることが大切です。
また、吐き気・嘔吐の原因は様々なので、吐き気止めの薬などの使用は医師の指示に従うことが重要です。
吐き気があるときの
本的な対処
姿勢を工夫する
- 上半身を少し高くして座る or 横になる
(胃酸の逆流を防ぐ) - できるだけ静かな場所で安静にする
(動くと症状が悪化することがある) - 顔を横向きにする
(嘔吐時に誤嚥を防ぐ)
水分補給を少しずつ行う
- 嘔吐後は脱水を防ぐため、こまめに水分を補給する
- 常温の白湯・経口補水液・スポーツドリンク などを少量ずつゆっくり飲む
- 冷たい飲み物や炭酸飲料は避ける
(胃を刺激する可能性がある)
食事を控えめにする
- 無理に食べず、胃を休ませる
- 落ち着いてきたら、消化の良いもの(お粥・スープ・うどん) から少しずつ摂る
- 脂っこいもの・香辛料の強いもの・刺激物は避ける
症状別の対策・予防
食べ過ぎ・飲み過ぎによる吐き気
- 胃の負担を軽減するため、横にならずに座る
- 白湯や常温の水をゆっくり飲む
(胃酸を薄める) - 胃薬(制酸剤・消化剤)を服用する
ストレス・緊張による吐き気
- ゆっくり深呼吸し、気持ちを落ち着ける
- カフェインを控え、温かい飲み物(白湯など)を摂る
- リラックスできる環境を作る(静かな場所で目を閉じる)
乗り物酔い・めまいによる吐き気
- 目を閉じて深呼吸する
(視覚の刺激を減らす) - 窓を開けて新鮮な空気を吸う
- 乗り物を降りた後も静かな場所で安静にする
- 酷い場合は、酔い止め薬を服用
吐き気・嘔吐を予防する方法
- 食事は少量ずつよく噛んで食べる
(胃の負担を軽減) - 就寝前の食事を控える
(胃酸の逆流を防ぐ) - ストレスをためない
(自律神経の乱れを防ぐ) - 規則正しい生活を心がける
(睡眠不足が吐き気を引き起こすことも) - 乗り物酔い対策として、遠くの景色を見る・酔い止めを事前に服用
よくある質問(Q&A)
お腹がすいているのに気持ち悪いのはなぜ?
空腹時は胃酸の分泌が増えるため、胃粘膜が刺激され吐き気を感じやすくなります。胃潰瘍や十二指腸潰瘍では、典型的に「空腹時の不快感や吐き気」が現れることがあります。また、低血糖により脳へ十分なエネルギーが行き渡らないと、空腹なのに吐き気やふらつきを伴うことがあります。こうした状態が繰り返される場合は、糖尿病や消化器疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。
吐き気があるときは吐いた方がいいですか?
吐き気を我慢し続けると余計に苦しくなることがあり、体が「吐いて有害物質を出そう」としているときには、実際に吐いた方が楽になる場合もあります。ただし、繰り返す嘔吐は食道を傷つけたり脱水を悪化させたりするため、安静と水分補給を欠かさないことが重要です。もし血が混じっている、突然激しい頭痛や胸の痛みを伴って吐いた、という場合は重大な病気の可能性があるので速やかに受診してください。
吐き気はどうしたら楽になりますか?
体を横にするよりも、上体を少し起こして安静にすると楽になります。においや音など外部の刺激を減らし、静かな環境で深呼吸すると落ち着きやすくなります。換気をして新鮮な空気を取り入れたり、ミントやレモンの香りを嗅いだりすると気分が和らぐ方もいます。胃の圧迫を避けるため、衣服をゆるめることも有効です。
吐いた後の適切な対応は?
吐いた直後は口をすすぎ、口腔内を清潔に保つことが大切です。胃酸で歯や喉が荒れるのを防ぐため、可能であれば水やうがい薬を使いましょう。その後は横になるときに体を横向きにして誤嚥を防ぎ、しばらくは安静にします。30分〜1時間程度は飲食を控え、落ち着いたら白湯や経口補水液を少量から始めてください。
嘔吐を繰り返したらどうしたらいいですか?
嘔吐を繰り返す場合は脱水や体力低下の危険があるため、早めに水分補給を行う必要があります。1日以上食事や水分がとれない、血が混じる、黒っぽい内容物を吐く、強い頭痛や腹痛を伴うといった場合は命に関わる疾患の可能性があります。こうしたときは自己判断せず、できるだけ早く医療機関を受診してください。
吐き気がある時、何を飲んだらいいですか?
基本は常温の水や白湯を少しずつ口に含むことです。吐き気が強いときに一度に大量に飲むと胃を刺激して悪化することがあります。経口補水液は脱水防止に適しており、汗や嘔吐で失われた電解質を補えます。ハーブティー(カモミールやペパーミント)はリラックス効果も期待できますが、カフェイン入り飲料や冷たい炭酸飲料は避ける方が安心です。
吐き気や嘔吐の時の薬は?
吐き気止めの薬(制吐剤)や胃酸を抑える薬、消化管の働きを整える薬が医師から処方されることがあります。片頭痛や乗り物酔いが原因であれば、それぞれに対応した薬を用いる場合もあります。市販薬で一時的に症状を抑えることは可能ですが、根本原因を改善するには診察が不可欠です。特に繰り返す吐き気や長期間続く吐き気は重大な疾患のサインのこともあるため、自己判断で市販薬を長く服用するのは避けましょう。
吐き気や嘔吐は受診の目安になりますか?
はい。軽度で一時的な吐き気は様子を見ても問題ありませんが、強い頭痛・胸の痛み・意識の低下を伴う場合は脳や心臓の病気が疑われ、緊急性があります。また、水分がとれないまま24時間以上続く場合や、血を吐く、黒い便が出るといった場合も早急な受診が必要です。症状が軽くても繰り返す場合には消化器や内科の受診を検討してください。
