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十二指腸潰瘍

十二指腸潰瘍 Duodenal-ulcer

十二指腸潰瘍とは

まず、十二指腸(じゅうにしちょう)とは、胃と小腸(空腸)をつなぐ消化管の最初の部分で、食べ物の消化を本格的に始める重要な役割を担っており、お腹の上部(みぞおちの奥)に位置しています。
長さは約25~30cmで、「指12本分の長さ」に相当することから、この名前がついたとされています。
十二指腸潰瘍は、胃酸の影響によって十二指腸の粘膜が傷つき、ただれや潰瘍ができる病気です。胃潰瘍と同じメカニズムで発症しますが、症状に気づきにくいため、進行しやすいのが特徴です。特に若い世代に多くみられ、治療をせずに放置すると、消化管に穴が開いたり、大量出血を引き起こす危険性があります。
お腹の違和感や痛みを感じた際は、症状が悪化する前に早めに医療機関を受診することが大切です。

十二指腸潰瘍の症状

]初期の段階では自覚症状がないことも多いですが、進行すると様々な症状が現れます。特に、空腹時や夜間に症状が強くなるのが特徴です。

みぞおちの痛み(上腹部痛)

最も代表的な症状で、みぞおち周辺がシクシク痛んだり、刺すような痛みを感じる。
特に空腹時や夜間に痛みが強くなり、食事をとると一時的に楽になる。

胸焼け・胃もたれ

胃酸が多く分泌されることで、胸のあたりが焼けるような感じがする。
食後に胃のあたりが重く、消化不良のような不快感を感じることも。

吐き気・嘔吐

胃酸の逆流や消化不良により、気持ち悪くなることがある。
症状が悪化すると、食べたものを吐いてしまうこともある。

食欲不振・体重減少

痛みや不快感のために食事量が減り、体重が落ちることがある。
胃腸の働きが低下することで、消化がうまくいかず食欲がなくなることも。

黒色便(タール便)・貧血

潰瘍が出血すると、便が黒くなり(タール便)、貧血の症状(めまい・ふらつき・顔色が悪くなる)を引き起こす。
貧血が進行すると、疲れやすくなったり、息切れしやすくなる。

重症化した場合の危険な症状

十二指腸潰瘍が悪化すると、次のような重篤な症状が現れることがあります。

  • 激しい腹痛(潰瘍が深くなり、十二指腸に穴が開く「穿孔」の可能性)
  • 吐血・血便(潰瘍からの大量出血の可能性)
  • 強い貧血症状(顔色が悪い、めまい、息切れなど)

これらの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診することが必要です。

十二指腸潰瘍の原因

ピロリ菌感染、胃酸の過剰分泌、薬の影響、ストレス、食生活の乱れなどが挙げられます。

ピロリ菌感染(最大の原因)

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)が十二指腸の粘膜を慢性的に刺激し、炎症を引き起こすことで潰瘍ができやすくなる。
ピロリ菌感染者のうち、約10~20%が十二指腸潰瘍を発症する。
感染している場合、除菌治療を行うことで再発リスクを大幅に低減できる。

胃酸の過剰分泌

胃酸の分泌が増えることで、十二指腸の粘膜が傷つきやすくなる。
ストレス、暴飲暴食、刺激の強い食べ物(辛いもの・カフェイン・アルコール)が胃酸の分泌を促進し、潰瘍の原因となる。

非ステロイド性抗炎症薬
(NSAIDs)の使用

鎮痛薬(ロキソニン・イブプロフェン・アスピリンなど)は、胃や十二指腸の粘膜を保護する成分(プロスタグランジン)の生成を抑え、粘膜が傷つきやすくなる。長期間の服用や高齢者は、特に注意が必要。
鎮痛薬を使用する場合は、胃を保護する薬を併用することが推奨される。

ストレス

強いストレスは、自律神経を乱し、胃酸の分泌を過剰にさせたり、胃腸の血流を低下させて粘膜の修復を遅らせることで潰瘍の原因になる。
精神的なストレスだけでなく、睡眠不足や過労も悪影響を与える。

食生活の乱れ

暴飲暴食、不規則な食事、刺激の強い食べ物の摂取が胃酸の分泌を促進し、十二指腸の粘膜に負担をかける。
塩分の多い食事(漬物・加工食品・インスタント食品)は粘膜を弱らせるため、リスクを高める。
アルコールの過剰摂取も粘膜を傷つける要因となる。

喫煙

タバコに含まれるニコチンが胃酸の分泌を促進し、粘膜の修復を妨げる。
喫煙者は十二指腸潰瘍のリスクが2倍以上になるとされている。

十二指腸潰瘍の
検査・診断

十二指腸潰瘍の診断には、胃カメラ検査(上部内視鏡検査)が最も有効な検査方法とされています。
内視鏡検査では、口または鼻から細いカメラ付きの管を挿入し、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察することで、潰瘍の有無や進行度を確認できます。特に、潰瘍の大きさや深さ、出血の有無などを詳細に評価できるため、確定診断に欠かせません。また、必要に応じて生検(組織採取)を行い、がんとの鑑別をすることも可能です。
さらに、採血や呼気試験によりピロリ菌感染の有無を確認し、ピロリ菌が陽性の場合は除菌治療を行うことで潰瘍の再発リスクを大幅に減らすことができます。

胃カメラ検査

十二指腸潰瘍治療

十二指腸潰瘍の治療は、薬物療法を中心に行われ、原因に応じた対策を講じることが重要です。
特にピロリ菌感染や胃酸の過剰分泌が主な原因であるため、これらを抑える治療が基本となります。適切な治療を行えば、多くの場合は数週間~数ヶ月で改善しますが、再発防止のための生活習慣の見直しも必要です。

ピロリ菌の除菌治療
(ピロリ菌感染が原因の場合)

十二指腸潰瘍の最も一般的な原因であるピロリ菌を除菌することで、潰瘍の再発を大幅に減らすことができる。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)+2種類の抗生物質(アモキシシリン+クラリスロマイシン)を1週間服用することで、除菌成功率は80%以上。
除菌に成功すれば、再発リスクが大幅に低下する。

胃酸を抑える薬の服用
(薬物療法の基本)

胃酸の分泌を抑えることで、十二指腸粘膜の修復を促進し、潰瘍の治癒を早める。

  • プロトンポンプ阻害薬(PPI):胃酸の分泌を強力に抑える。
  • ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー):胃酸分泌を抑制する。
  • 制酸剤:胃酸を中和し、一時的に症状を和らげる。

特にPPIは、潰瘍の治療と再発予防に効果が高く、最もよく使われる薬。

胃粘膜を保護する薬の使用

胃の粘膜を強化し、潰瘍部分の治癒を促進する薬が使用されることがある。
鎮痛薬(NSAIDs)の影響で潰瘍が発生した場合、これらの薬を併用することで粘膜を保護することができる。

出血・穿孔(穴が開く)
などの重症例への対応

軽度の出血はPPIなどの薬物療法で治療可能だが、大量出血がある場合は内視鏡で止血処置を行うこともある。
潰瘍が悪化し、消化管に穴が開いた場合(穿孔)、緊急手術が必要になることもある。

十二指腸潰瘍の予防

十二指腸潰瘍を防ぐためには、ピロリ菌の除菌、胃酸のコントロール、薬の適切な使用、生活習慣の改善が重要です。特に、再発しやすい病気のため、食事やストレス管理に気をつけることが大切です。

ピロリ菌の検査と除菌

ピロリ菌感染がある場合は除菌治療を受けることで再発リスクを大幅に減らせます。

胃に優しい食生活

刺激物(香辛料、アルコール、コーヒー)や脂っこい食事を控える。
空腹時間を長くしないように規則正しく食事をとる。

ストレス管理

ストレスは胃酸分泌を増やすため、リラックスできる時間を確保し、適度な運動(ウォーキングやヨガ)を取り入れる

禁煙・飲酒を控える

タバコは粘膜の修復を妨げ、アルコールは胃酸を増やすため、過剰摂取を避ける。

胃に負担をかける薬の
使用に注意

鎮痛薬(NSAIDs)は胃酸を増やすため、長期間の使用は控えるか、医師と相談して胃粘膜保護薬を併用する。

睡眠をしっかりとる

睡眠不足はストレスや胃酸分泌を増加させるため、寝る3時間前には食事を済ませることが大切。

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五反田胃・大腸内視鏡クリニック品川
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